こんとあき
林明子 さく
こんは、 あかちゃんを まっていました。 こんは、 おばあちゃんに あかちゃんのおもりを たのまれて、 さきゅうまちから きたのです。 めっちゃかわいいお話です。 きつねのぬいぐるみ『こん』と、おんなのこ『あき』が電車に乗っておばあちゃんの家まで旅をします。 小さなあきちゃんよりももっとちいさな体で、こんはどんなときも「だいじょうぶ、だいじょうぶ」とあきを導いてくれるのです。 しっぽをドアにはさまれても、犬にさらわれても。 あきを必死で守ろうとする、またあきに心配をかけまいとするこんのけなげな姿がたまりません。 こんにとって、あきは愛しくてならないのですよ。 あきが赤ちゃんのときから、見守りつづけてきたのですから。 そしてあきも、ぼろぼろになってしまったこんをおぶって、おばあちゃんの家まで走るのです。 小さい女の子にとって、だんだん夜が近づいてくるなか、知らない街をたったひとりで(こんもいますが)走るのは大冒険だったことでしょう。 無事に冒険をなしとげたあきは、ひとつ、おおきくなったにちがいありません。 おばあちゃんの家にたどり着いた二人。 こんはおばあちゃんの手によって、もとどおり、きれいなきつねに戻してもらいました。 あきの前では妙に大人びているこんも、おばあちゃんの前ではすこしだけ、 甘えたになってしまうのです。微笑ましいね。 さいごまで読んで、もう一度最初のページに戻ってみてください。 じーんと幸せな気分になりますよ。
by tou-g
| 2005-10-23 17:22
| 書評(絵本)
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