めっきらもっきらどおんどん長谷川摂子 作 降矢なな 画 先日書店のおばけの本特集で見つけました。 福音館書店のこどものとも傑作選です。 福音館書店という出版社は、月イチで「こどものとも」とか「かがくのとも」といった、幼児向けの薄っぺらい絵本を出しておりまして、よく知らないけどウチなんかは幼稚園を通して定期購読しておりました。出版されたそれらのなかで特に人気の高かったものが、『傑作選』としてハードカバーで世に返り咲くことが許されるのです。 この本は私の弟が幼稚園の頃、初めて出版されたものだと思います。返り咲いたね。 確かに名作でしょう。男の子が不思議な世界に迷い込んで、おばけ(妖怪)達と思い切り遊んだあと、自分の世界に戻ってきてしまう。まさしくファンタジーの王道。 ファンタジーといえば聞こえは洋風(?)ですが、これは日本のファンタジー。 舞台はお宮。相手は妖怪?いや八百万の神々だったのか。 タイトルからそうですが、文章に節があって読んでも聞いても心地よい。 そしてなにより絵が素晴らしい。 大胆な構図。この横長の絵本を、さらに見開き2ページを縦に使った場面すらあるのです。 ものすごくのびやかで自由で、勢いのある絵だなあと思います。 さらに水彩絵の具の色遣いが見事です。 水彩画で、これだけたくさんの色をうつくしく使うのは凄いと思います。 降矢ななさんの絵は、海を閉じ込めたようなビー玉とか、原っぱ色のセーターとか、大きな桃のなかの不思議な空間とか、そういった不思議にうつくしいものを表現するのに本当に向いてる。 この『めっきらもっきら~』を記事に載せようと思って検索してみたところ、同じ作者でさらなる大物を見つけました。なんで忘れてたんだ私!まさに名作、これを抜かして私の幼児期絵本体験はないだろう!ってなわけで、また後日書きます。
by tou-g
| 2005-08-04 00:09
| 書評(絵本)
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